水のはなし
長野県薬剤師会の活動(利き水コーナー)
長野県薬剤師会では、環境保全活動の一環として、長野県が主催する「環境フェア」に参加しています。会場内の展示ブースでは、パネル展示や水の相談コーナーの他、メインコーナーとしてミネラルウォーターと水道水との比較により長野県の水のおいしさをアピールし、環境維持・保全に対する関心を高めることを目的として、「利き水コーナー」を出展しています。利き水コーナーでは、入場者に紙コップに入った①水道水、②軟水のミネラルウォーター、③硬水のミネラルウォーターの3種類を飲み比べてもらい、それぞれ何なのかを答えてもらいます。
2008年度は硬度297.5の「エビアン水」を、軟水には「南アルプスの天然水」を、水道水には松本市の水道水を使用しました。松本市の水道水は僅かなカルキ臭を除けば「南アルプスの天然水」とほとんど違いが解りません。初日は、途中で松本市の水道水が終わってしまったことから、急遽長野市の水道水を使うことになりましたが、来場者からは「ん?・・・これはいつも飲み慣れた味だ!」との声が相次ぎ、松本市の水道水とのおいしさの違いがはっきりと解りました。
来場者の中には「・・・私、エビアン水だけは判る!」と自信満々に言われる方が何人もいらっしゃいましたが、残念!! 意外と判らないものです。
あまりに混み合ったため、急遽「水相談コーナー」を利き水コーナーに追加して対応するなど、スタッフも大忙し。ヒートアップするブースの雰囲気にスタッフからはついこのような迷説明も。「これは外国の水で、これは日本の水、これは水道水です・・・。」 あれれ??水道水も日本の水じゃないの?
水道水の残留塩素が0.4ppm前後あったにも拘らず、意外と不正解の人が多かったのが気になります。やはり口に含む時に恐る恐る少量を飲むのではなく、ある程度の量を口の中で転がす?ようにすると、カルキ臭さを感じられるのかもしれません。最近は、水道水を浄水器等で処理する家庭が多くなっていますので、案外水道水のカルキ臭いというイメージは薄れているのかもしれません。また、硬度についてはエビアンは304mg/Lですので、軟水に比べるとさらさら感が無くなります。我が国の水道水の基準では、硬度は300mg/L以下としていますので、結構広い範囲のものが水道水として認められています。