水のはなし

エビアン水の話

 我が国では、水道水の硬度は300までが認められています。「エビアン水」は硬度が297.5なで、硬度だけでみると、エビアン水の硬度は我が国の水道の硬度の上限とほぼ同じなのです。

 エビアン(evian)は、スイスとフランスの国境を接するレマン湖畔にあり、フレンチアルプスの麓に位置する小さな町です。この地には、13世紀に入ってから人々が集まりはじめ、やがて城が建てられ、サボイの女王のリゾート地として繁栄してきました。
 エビアン水は1789年にオーベル地方の貴族ドゥ・レセール伯爵が「カシャ水源」から湧出する水の所有権を得て、エビアン鉱泉水が広く知られるようになったと伝えられています。更にエビアン水を有名にしたのは、同伯爵が持病の腎臓結石をカシャの水で治癒したという評判が伝わったことにもあります。
 モンブランの氷河や雪解け水が地中深く浸透し、悠久の年月をかけてレマン湖畔に湧出した水がエビアン水だといわれています。標高850メートルに位置する採水地周辺は、氷河期に形成されたとされる非常に高いろ過能力に恵まれた層と不浸透性の粘土層から構成されています。 

 現在市販されているエビアン水は、「カシャ水源」から10分ほど離れた場所にある工場の敷地内にある井戸から採水されたものがボトリングされています。